所有しているおでこ。泣く泣く手放すより、笑って手放したい。
ジャン・リュック・ゴダール監督 モノクロ
ゴダール監督自身、シャープな感じの方で
若い頃は カチッとした黒いサングラスで
おでこのあたりの髪が 既に少し後退していましたが
それもカッコ良かったですね。
主演は監督の奥さんで 前期のゴダール作品の多くで
主演を務めている アンナ・カリーナ。
アンナ・カリーナ扮する ナナという
離婚歴があり、貧しいけれど ごく普通の22歳の女性が
やがて 街角に立つ娼婦に転落し・・・
というストーリーが
12の章に分けて 構成されている。
冒頭のシーン ナナが別れた夫・ポールと会い
近況を話し合っています。
ふたりはカウンターに並んでいますが
カメラはずうっと ナナの後頭部から撮っていて
隣のポールはまったく映らない。
カウンターの向こうの鏡に ナナの正面が映っているのですが
鏡が遠くて、ぼんやりしてて はっきり見えない。
それなのにこのシーン 話が終わるまで
とうとうカメラの位置は このまま。
画面のほとんどが ナナの黒い後ろ頭なんです。
でもそれさえも何となく、スタイリッシュに感じるんだな。
ナナは今、レコード店で働いているけど
アパートの家賃も払えず 滞納している。
すると家主は ナナの部屋の
鍵を取り上げてしまい 部屋に入ることも出来ない。
家主の部屋から無理やり 鍵を奪おうとするナナと
阻止する家主の夫婦が アパートの中庭で
再三、取っ組み合いになる。(ここの場面だけ俯瞰になります)
またナナは警察で 尋問を受けたりもする。
ある婦人が落としたお札を わざと踏んで隠して
盗ろうとしたのを見つかり 訴えられたのだ。
お金の無いナナは 遂に街角に立つ娼婦になり
ラウールというヒモもついた。
抵抗のあった仕事もすぐに慣れ 甘いお客には
値段を吊り上げたりも 出来るようになった。
そんなとき、ある居酒屋で
玉突きをしていた青年に ナナは惹かれる。
ここでジューク・ボックスから流れる曲が
ああ、懐かしい~
昔、ラジオの映画音楽ベスト10で盛んにかかった
ミシェル・ルグラン作曲のテーマ曲。
ギターのベースが、じんじんと胸に響く曲で
途中、ピタッと 演奏が止まったりするの。
記憶の奥の奥に 埋もれていたわ。
この曲に合わせて踊るナナが可愛い。
今どきこんな服装の女の子は まったく見られない
ボックス・プリーツのスカート、ブラウス、カーディガン
それで 可愛く、可愛く踊る。
青年を愛しはじめたナナは 娼婦をやめ
ヒモのラウールとも 別れる決心をするが
それを敏感に悟ったラウールは ほかの売春業者に
ナナを売り飛ばす 交渉を進めていた。
そしてラストは、衝撃的。
観客を突き放すように 一気に終わります。
ゴダールさんの幕引きは いつもカッコいい。
でももの悲しい余韻が残る。
ナナが可哀想で・・。
そろそろおでこについて一言いっとくか
これは、わたしの出身校である東海大学海洋学部の飾りでした。
メガマウスザメの擦り絵が2種類あって、両方やりたかったけど、ひとり1枚までの表記が。大人なのでグッと抑えて、ひとつをチョイス。浮き出てきたのは、、、
なんと、メガマウスザメがプランクトンを食べてるシーン!
3店舗目に到着。餌キンとフナ的な色が混ざる感じでした。
おでこを蚊に刺されましたが。